住宅ローンを借りる時の注意点、繰り上げ返済やローン減税の注意点などをまとめました。

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更新: 11/10/09 | 住宅ローンの借り方、返し方 | Loan method

住宅ローンとは

今更ですが、住宅ローンは何故存在しているのでしょうか?
7,000万円の土地付き住宅を購入して、家族で住もうとした時に住宅ローンが無かったとしたら7,000万円を貯金して溜めてからでないと購入することが出来ません。
7,000万円貯金するのに25年掛かったとしたら35歳の人は60歳にならないと家を建てられないことになってしまいます。
住宅ローンがあれば、直ぐにお金を借りて、直ぐに家に住み始めることが出来ます。良いことばかりのようですが、唯一悪いことと言えば利息が発生するということです。詰まり、借りたよりも多くのお金を返さなくてはならないということになりますが、メリットとデメリットをトレードオフに掛けるとすると次のような構図が成り立つことを意味しています。

??年間前倒しして住まいを手に入れられる : それに対して??万円を支払わなければならない

この??が埋まれば、今買うべきか、今買おうとしている物件が身分相応か、無理はないか、お得なのかが判断できるという訳です。それでは、早速話しを掘り下げていきましょう。

返済期間と返済額

「??年前倒しして物件を手に入れられる」というのは返済期間にニアリーイコールとなります。(多めに返すので実際は返済期間よりも短いはずですが)
対して、「その対価として銀行に??万円を支払う」の金額は返済額と、返済期間に左右されます。
更に、返済額は現在の貯金(頭金)と物件の金額に左右され、返済期間には毎月の返済額(年収)と繰り上げ返済額(やっぱり年収?)が影響します。

例えば以下のようなシートが書けます。

 

物件の金額 7,000万円
頭金 3,000万円
借入額 4,000万円
返済期間 35年
実返済期間 35年
金利 0.875%
利息合計額 約600万円
月々返済額 12万円弱

変動金利のため、35年間続く保証はありませんが35年早く新築マンションを手に入れて住める代わりに600万円を支払うという計算になります。
600万円は決して低い金額ではありませんが、車を2世代我慢すれば支払える金額程度と考えることも出来ますし、35年で割れば年間17万円で新築を先に借りる(買う、住む)権利を手に入れられるとも考えられます。
これは、月額にすれば1.4万円上乗せするだけで35年も早く物件を手に入れられると考えられるのです。

物件金額とローンのバランス

頭金無しで7,000万円のローンをすることは物理的には可能ですが、次のような注意点があります。

  1. ローンの(再)審査が通らない可能性がある。(手付け金などを支払った後で、勤務状況が変わった場合に高額な借り入れは再審査が通らないリスクを増大させます)
  2. 繰り上げ返済が難しくなる。詰まりは35年みっちり返済する可能性が高くなる。(返済している間は収入に対して圧迫し続け、貯金やその計画に支障をきたすリスクを高めます)
  3. 返済期間が長くなるので、その間に変動金利が高めに遷移する可能性がある。
  4. 返済期間が長くなるので、利息合計額は元本に対して割高になる。

それでも尚、手に入れる価値がある物件であれば問題はないですが、そのような魅力的な物件である可能性は勿論相対的に言えば下がることになります。(他所不満のある物件でも有利なローン環境で変えれば良い買い物にもなるが、いくら良い物件であっても不利なローン環境では割高に転じるリスクがある)

三井住友銀行のローンシミュレーションなどで、確認をしてみると良いと思います。

「元利均等返済」と「元金均等返済」

ローンの返済方法には、「元利均等返済」と「元金均等返済」があります。
三井住友銀行の住宅ローン基礎知識に細かな説明がありますが、結論としては以下の通りです。

 

  元利均等返済 元金均等返済
方式 毎月の返済額全体を一定にする方法 毎月の返済元金だけを一定にする方法
メリット 毎月の返済額全体が一定なので、一定の金額だけを確保できていれば良いので安心感がある。 元利均等返済にくらべ支払利息総額が少なくなります。
デメリット 元利均等返済にくらべ支払利息総額が多くなります。 借り入れ当初の元金が多い時期は、利息が多いので返済額が多くなります。先に多く返すのですから利息は元利均等返済と比べて少なくなるのは当たり前ですね。
デメリットの払拭が可能か? 実のところ、元金均等返済が利息面で有利になる理由となっている「当初多めの返済額」と同等金額を繰り上げ返済すればほとんど利息は変わらなくなります。
但し、繰り上げ返済手数料などに気をつけましょう。
「当初多めの返済額」を減らすことは出来ませんので、払拭は困難です。
結論 可能な時には繰り上げ返済して、他に支出がある時には通常通り返済をするという選択肢が産まれる分だけお勧めとなります。
繰り上げ返済手数料が無料のローンを選んで元利均等返済とするのがベストと言えます。(例えば三井住友銀行は4回/月まで無料だそうです)
 

変動金利、固定金利、長期固定金利の選択

2011年10月現在は超低金利時代が続いており、変動金利は0.875%(優遇金利▲1.6%を加味)となっています。これ以外にも固定金利、長期固定金利を選択できますのでそれぞれのメリット、デメリット、注意点をまとめてみました。

 

  変動金利 固定金利 長期固定金利
特徴 常に利率が変動します。 指定された年数(5年〜10年)だけ固定の利率となります。 返済期間ずっと同一の利率となります。
参考利率 0.985% 1.45%〜2.10% 2.45%
メリット なんと言っても借り入れ時点では最も有利な金利となっているはずです。 長期固定金利との折衷案で、借り入れ直後から金利が上がる可能性がある場合に保険を掛けられます。 将来的に金利が高騰した場合の保険を掛けられます。
デメリット 金利が理論上、14%まで上がる可能性があります。 保険と低金利の折衷案をとることが出来ます。 金利に納得が出来れば、完全に返済額が同一という安心感を得られます。
1.6%といった大きな金利優遇を得られません。銀行側も見通しを付けられないためと思います。
特記事項 途中で、固定金利と行ったり来たりすることが出来ます。(三井住友銀行の場合で確認) 途中で、固定金利と行ったり来たりすることが出来ます。(三井住友銀行の場合で確認)  
結論 2011年11月現在、震災の影響もあって10年間の復興増税などもまことしやかに議論されています。この状況で金利が上がる可能性は低いと言えます。
今後、10年〜15年程度での完済が見えているのであれば変動金利が最もお勧めです。
左記の理由から今後10年程度は、現状のまま低金利時代が続く可能性が高いと言えます。
その状況で、短期固定の固定金利を選ぶ意味はないでしょう。
考え方によっては選択の意味はあります。長期間の返済が見込まれる状況で、20年〜先に好景気が訪れ金利が上がるリスクを、変動金利の2.5倍の金利を払ってでも回避したい人には意味があります。

その他のポイントとしては、2本のローンに分けて複数の方式を混在させることも可能です。
2,000万円を固定、2,000万円を変動金利とすることでリスクを下げるというものです。好みにも寄りますが個人的には10〜15年低金利で返済を続けられたのなら、その後少し金利が上がっても変動に変えたりそのまま返済を続けても損得無しの可能性も高いのではないかと思います。

下手に分割して複雑化させたり、必要以上に金利が上がるリスクに保険を掛けるよりも、安い変動金利で初めて繰り上げ返済に邁進するのが一番お得ではないかと思いました。

ローン返済保険・ローン健康保険・三大疾病保障付住宅ローンに入るべきか

ローンを契約する際には、必ず団体信用生命保険(団信)への加入が伴うことは良く知られていますが、この団体信用生命保険(団信)で補償されるのは借り入れ主が命を落とした場合のみです。

入院・けが、三大疾病(ガン、脳卒中、心筋梗塞)などによって収入が得られなくなった時にローンを軽減、または全額負担してくれるというのが三大疾病保障付住宅ローンです。
加入は任意ですが魅力的にも聞こえます。しかし、次のようなデメリットがあります。

  1. 一度加入したら途中解約できない
  2. 返済が完了したら別の三大疾病保険に入らなくてはならない。
  3. 勿論金利に上乗せされる。安い掛け金でもない。
  4. 35歳で入って15年で完済したら、丁度、三大疾病のリスクが高まる年齢で何も補償が無くなる。
  5. 35歳くらいから三大疾病の保険にガッツリはいる意味があるのか?

などなどです。
また、これは人の事情によると思いますが返済が出来ないほどの有事が起きたら、家族、親戚の助けを借りたり、それでも返済が難しければ買った家を貸したり売ったりして、もっと安い住居環境に移行することを考えるのも手ではないでしょうか。

こんな事が有利なのかは分かりませんが、三大疾病リスクが高くなってきたら借り換えして同時に三大疾病保障付住宅ローンに加入するといった方法もあるのかも知れません。

注意点にあるとおり、保険は賭です。賭に勝つ(有利)か、負ける(不利)かは確率と統計で推し量ることが出来ます。今回の場合は自分の年齢、返済年数、完済時の年齢、三大疾病リスク(確率)によって見ることが出来ます。

3大疾病の治療費、患者数および先進医療との関係−『生命保険の「罠」』からの引用なので実際の数値を確認してはいませんが、以下のようにリスクは遷移しています。

三大疾病リスク

34歳までは3大疾病の患者がほとんどいない。35歳から64歳のうち、3大疾病のいずれかにかかっている割合は1%弱。65歳以上になると、約3%が悪性新生物、約2%が虚血性心疾患、約4%が脳血管疾患の患者となり、年齢が上がるにつれてパーセンテージも上昇する。

という事だそうです。つまり、30歳でローンを考えている方には10年ほど無縁と思われる三大疾病リスクに投資をする必要はないということになりますし、40歳で30年完済のローンを組む方には検討の余地が生まれてくるということになります。

財団法人がん研究振興財団 (監修 国立がんセンター )が提案した『がんを防ぐための12カ条』というものがあるそうです。本論からは外れますが、三大疾病に掛かった時のことを考えるよりも、掛からないための投資を始めた方が良いのかも知れません。

  1. バランスのとれた栄養をとる(バランスとは何かが難しいですね)
  2. 毎日、変化のある食生活を(変化とは何かが難しいですね)
  3. 食べ過ぎを避け、脂肪は控えめに(ご飯少なめで注文し、脂は残しましょう)
  4. お酒はほどほどに(休肝日を設け、酔っぱらうほど飲まないようにしましょう)
  5. たばこは吸わないように
  6. 食べものから適量のビタミンと繊維質のものを多くとる
  7. 塩からいものは少なめに、あまり熱いものは冷ましてから(しょっぱいものは残しましょう)
  8. 焦げた部分は避ける
  9. かびの生えたものに注意(消費期限を過ぎた食べ物は捨てましょう?)
  10. 日光に当たり過ぎない(皮膚癌の予防でしょうか)
  11. 適度にスポーツをする
  12. からだを清潔に

 

 
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