HP Mini 1000を完全分析。便利な機能や活用法を紹介します。
更新:16/06/28 | HP Mini 1000 | NetBook
ネットブック
HP Mini 1000は所謂「ネットブック」と呼ばれる低価格ノートパソコンです。
最近はHP Mini 1000の情報もネット上にとんと見なくなりさびしい限りです。当の私もタブレットPCやMacbook Proの中古にばかり目が行って、HP Mini 1000の電源もほとんど入れなくなってしまいました。現在は、幼稚園児のPC教育に使おうと大枚はたいてブラッシュアップ中です。
一般的なノートパソコンと比べると、次のような特徴があります。
- 価格が安い(2008年当時)。5万円前後。
- Atomなどの省電力CPUを搭載している。
- メモリは大概1GB。
- 液晶はワイド型10インチが主流。解像度は大概1024×600ドット。
- 3セルバッテリーで稼働時間は3時間程度。
- 重さは1kg程度。
- SSDとHDDタイプを選択可能。SSDは16GB程度が主流。
- 電源アダプターのコンセント側ケーブルが妙に太い。
- Webカメラが30万画素の場合が多い。
- 無線LANは802.11n未対応のことが多い。
- WindowsXP搭載。起動も20〜30秒ほどで、サクサク動作する。
実のところ、HP Mini1000はこの通りのスペックなのですが、最近では各社競争が激化してきたせいかスペックが良くなってきているものもあります。
2010年10月 MacBook Air11インチの登場
MacBook Air11インチ(Amazonで8万円台)がリリースされました。NetBookの5万円台というコストメリットはありませんが、Core2Duoで64GB。それで8万円台というまさにAppleが送れて出したNetBookが登場してしまいました。
個人的には、利用シーンは思い浮かばないけど欲しいアイテムの一つなのですがそこでお蔵入りしていたmini1000を思い出しました。今だから出来るmini1000の活用法、カスタマイズ法を追記してみます。
HP Mini1000の魅力
数あるネットブックの中でもHP Mini1000の魅力とは何でしょうか?
個人的に感じている所をまとめてみました。
- 結構薄い。そして均等な厚み。
ネットブックの中にはヒンジ部分が厚くて、手前側になるほどに薄くなっている形状のものが多いのですが個人的には好きではありません。
その点、HP Mini1000は均一な厚みですっきりしています。 - WindowsXP Homeエディションで動作が軽い。
- 液晶がフラットパネル? ベゼルの露出がない美しい仕上げで高級感がある。
- hpというブランド。これは好きずきですが……個人的にはプリンターなどもhp製品を使っているので違和感はありません。
- キーピッチが大きく、入力がしやすい。キータッチはちょっと慣れないと爪が引っかかる感じもあります。
- メモリが2GBまで拡張可能。(換装が簡単)
- SSDへの換装も可能。(2016年時点で80GBのSSDに8,000円で載せ替えられました)
- 小型のウォールマウントアダプターが付属している。
- 光沢のある液晶で高級感がある。DVD鑑賞などには向いている。移り込みが気になる人はノングレアタイプの専用保護シートが便利。
逆に、デメリットもあります。
- VGA出力端子がない。個人用だがたまにはプレゼンにも使いたいといったニーズには応えられません。
- その割に、外部機器端子経由でもVGA出力できない。USでは入手可能ですが、日本では入手できません。
⇒ 2010/10/24現在、既にHPからの提供も打ち切られているようですが逆に市場ニーズが低下したためかYahoo!Auctionなどで3,500円程度で入手できるようになっています。 - Webカメラが30万画素と貧弱。ただ、最新のSkypeを利用するという用途に限って言えばそれほど気になりません。
- やっと最近になって6セルバッテリーがリリースされたが直販価格で1万円近い。
- microSDをゲタに載せてSDカードスロットに差し込むと、SDカードスロットがハードウェア的に故障する。これは、知らないと結構致命的なリスクです。
- 最初から搭載しているSSD16GBはプチフリーズが相当にストレスです。(換装することであっさり直ります)
- 好みの分かれるデザイナーパターン。シンプルな黒の方が一般受けするのでは?
アダプタを含めた重量
携帯性を検討するのに、形状(薄さ)、重さは最も大きな差別化要素です。
下表は実測に基づく重量比較結果です。
機種名 | Eee PC S101 | HP Mini 1000 (SSDモデル) |
Eee PC 1000H-X | Endeavor Na01 mini | IdeaPad S10e |
---|---|---|---|---|---|
サイズ (W×D×H) |
264 ×180.5 ×25mm |
261.7 ×166.7 ×25.9mm |
266 ×191.2 ×38mm |
266 ×184.7 ×39mm |
250 ×196 ×36mm |
本体重量 | 約1.06kg | 約1.1kg※1 | 約1.45kg | 約1.28kg | 約1.38kg |
アダプター +コード 実測値 |
約210g | 約315g (約190g※2) |
約210g | 約214g | 約253g |
合計重量 | 約1270g | 約1415g (約1290g※2) |
約1660g | 約1494g | 約1633kg |
2016年となってしまっては、軽量・起動時間だけであればタブレットWindowsPCの方が優れているでしょう。例えば、ふるさと納税で貰ったエプソンダイレクトのEndeavor TB01Sは、8インチと画面こそ小さいものの5時間以上優に動作してWindows10でそれなりの作業が出来ます。
それでいて、Bluetoothキーボード、マウス合わせても重さは650gちょっとです。アダプタが必要なら小型のUSBアダプタで済んでしまいますし、ミニHDMI変換ケーブルを持っていれば、大概の(最近の)ディスプレイに出力が出来ます。
それでもmini1000にこだわる理由は何なのか……実のところ分かりません。ただ、一体型という点で一部のアイテムを忘れる恐れはありませんし、安定感もあります。子どもなどに与えてコンピューターを語るにもこのくらいどっしりしたものでないと腰を据えて打ち込めない感じはします。
SSDモデル
折角ネットブックを購入するならゼロスピンドル?
SSDはHDDタイプではなく、メモリを使った外部記憶装置で回転部分がないので、これを採用したPCはゼロスピンドルマシンなどと呼ばれます。
実のところ、SSDの採用はメリットデメリットがはっきりしており現時点での採用判断は個人の好みに寄るところが大きいようです。
メリット
- 可動部がないので振動に強い。故障が少ない。
- 読み込みが早い(そんなに体感できない気もする)
デメリット
- 容量が少ない。つまり、容量単価が高い。16GBだとパーティションを切ってマルチブートにするのは結構大変です。
- 書き込みが集中すると、デッドロックに近い状態が発生し書き込み概要に遅くなる。
個人的にはHDDの故障は何度も経験しているので、持ち運びようのマシンと位置づけて購入したmini 1000は迷わずSSDを選択しました。また、専用の内蔵スロットに8GBのUSBメモリを取り付けられるモデルにしたので、My documentsやメールの実データはこちらに配置してC:ドライブの容量を確保しています。
2016年になってSSDを換装し、64GBのちゃんとしたもの(プチフリーズしないもの)に変えました。[SUPER TALENT] DuraDrive ZT4 SSD 1.8インチ 64GB MLC ZIF(IDE)接続 FEU064MD1Xというもので、ZIF(IDE)接続というのがポイントです。
32GBで6,000円。64GBで8,000円でしたので迷わず80GBを購入しました。
ZIFを取り付ける際には、黒いガードの部分を90度立てた上でフラットケーブルを結構な力で挿入する必要があります。
そこまで行ったら黒いガードを力尽くで寝かせてできあがりです。
ただし、USBコネクタ部分を本体から引っこ抜き、それを更に引っ張ってUSBポートをベリッと剥がさないとSSD本体が収まりません。SSDの容量が増えれば埋め込み型のUSBメモリも不要なので、躊躇無く引っ張って下さい。
購入しての感想
- 持ち歩きたくなる。そして、持ち歩いて苦にならない。(2016年となっては重さが気になります)
- WindowsXPの起動がキビキビしていて気持ちが良い。ストレスがない。(Windows7を入れた限りでは軽快に動きます)
- 恐らくBIOSをアップグレードして直ったと思われるが、バッテリーが枯渇して自動的にサスペンドする際にハングアップすることがある。
- USB接続したDVDドライブなどからWinXPリテール、Win7、MacOSなどをインストールできるのはとても便利。
- SSDはHDDのような稼働音もなくこの点はストレスがないが、書き込みが遅いと感じる。
- SSD固有の問題として今や定着したプチフリーズ、完全フリーズがやっかいです。
⇒ プチフリーズバスターを導入してみたりしましたが、変わったのか変わらないのか……。 - バッテリーは意外ともつ。というか、長時間のスタンドアロン利用をしないので結果的に気にならないのだと思われる。
└─結局、ふくれあがってバッテリーが使えなくなったので、サードパーティーの6セルものを購入しました。大きく重くなりましたが、持ち歩くことも無くなったので許容範囲かなといった感じです。 - 天板や液晶部分は若干たわんでいて、この辺りは5万円なりの作り。
- VGA出力がないのは致命傷。(2010/10/24現在、既にHPからの提供も打ち切られているようですが逆に市場ニーズが低下したためかYahoo!Auctionなどで3,500円程度で入手できるようになっています)
- 802.11n未対応もたまにストレス。802.11gがこんなに遅かったのかと実感することがしばしばある。結果的に有線LANで作業することもしばしば。
カスタマイズして更に使いやすく
HP Mini 1000はカスタマイズすることによって、更に使いやすく、ストレスの無いマシンに仕立て上げることが出来ます。
- 音が小さい状況を改善
ドライバーを入れ替えることで改善されます。 - Webカメラの映像が暗い
Skypeであれば設定でガンマ補正、明るさ補正などを調整することで緩和されます。 - SDカードにMS Officeなどをインストール(HDDとして利用)
Hitachiのドライバーに手を加えて、入れ替えることでHDDとして利用できます。
HDDとして認識できるとプログラムなどのインストール先として指定することが出来ます。 - SSDの空き容量を増やす
└─2016年となっては、空きを増やすよりも、SSD換装が圧倒的にオススメです。mini1000が息を吹き返しプチフリーズが嘘のように軽快に動き始めます。Atomのモッサ感や発熱は若干気になりますが、元気に動きます。
WindowsOSをクリーンインストールすることで空き容量を増やすことが出来ます。但し、WinXPインストール直後は3GB程度に抑えられますがSP3、ドライバーなどをインストールすると4.5GB程度まで占有してしまいます。
⇒ 次のようなカスタマイズで、空き容量を増やすことも出来ます。
・MyDocumentの物理的な場所をC:¥以外のドライブに指定する。
・C:¥Windows¥NTUninstall*を削除する。(システム系のアップデートをアンインストールできなくなるので注意して下さい。300MB程の節約になります。)
・デスクトップ>プロパティ>スクリーンセーバー>電源>休止状態タブ>休止状態を有効にする(H)をチェックオフ(1GB〜2GBのメモリと同じ容量分の空きが出来ます)
・C:ドライブ>プロパティ>ディスクのクリーンアップを実行。
・MSOCacheの削除(MSのページに従う)で500MBの削減。 - SSD特有のプチフリーズを解消
・マイコンピューター>プロパティ>システムの復元>無効にする。
・同じく自動更新タブ>更新を通知するのみ。に変更する。
・C:ドライブ>プロパティ>ハードウェア>SanDisk pSSD 16GB>プロパティ>ポリシー>ディスクの書き込みキャッシュを有効にする(W)をチェックオフ
・デフラグツールを実行。常駐させる。smartdefragがFreeではメジャーでしょうか。
・プリフリーズバスターを導入。(3,000円ほどのソフト。導入してみたが効果があったのか不明。定量的に比較をしてみたいところです。) - Mac OS/XとのデュアルブートにしてiPhoneアプリを開発する。Linuxなどとのデュアルブートにしてブラウザ専用機に。使い方いろいろ。
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