128G(137G)超のHDD増設について 不幸は突然何も考えずに160GのHDD(MaxtorのMaxtor 4R160L0 DiamondMax 16)(以後DM16)を購入しました。価格はark( http://ark-pc.jp )で17,400円でした。 ところが、ここに大きな落とし穴がありました。事前調査もしなかったので自業自得ではありますが、IDEの仕様に128G(Windowsでは)までしか認識できないという制限が存在したのです。
このように、DM16をIDEに接続してサーバーを起動しても、認識される要領は128Gになってしまいました。 この問題(制限)に対しては既に各ベンダーが対応を表明しています。 Maxtor:次世代のIDE規格を策定、今後標準規格となっていくようです。 米Maxtorは、ATAインターフェイスHDDの137GBの容量制限を越え、144PB(PetaBytes)=144,000,000GBまで対応できる技術「Big Drive」をサポートすることをCompaq Computer、Microsoft、VIA Technologiesなどとともに発表した。 「Big Dirve」技術は、従来のATA HDDで利用する28bitの論理ブロックアドレス(logical block addresses:LBAs)を48bitに拡張することで実現される…… ということです。 実は、128G超のHDDでは基本的に28bit及び48bitの両者に対応したインターフェイスを提供することになっています。そのため、今回非対応のサーバーに素直に接続しても128Gまでは認識してくれたのです。 インタフェイス:幾つかのメーカーが対応したボードをリリースしています。 一般的に、HDDはIDE → IDE BIOS → OSという具合に層をなしていますが、それぞれについての対応が望ましいようです。 問題解決の糸口Intelの一部のチップセットを搭載したマシンではIAAなるユーティリティをダウンロードしてインストールすることで、マシンの高速化に合わせてBig Drive対応のドライバーもインストールすることができます。 しかし、我がGemPowerサーバーがそんなチップセットな訳ありません。実際インストールを試みましたが、あっさりと断念させられました。 そこで、それぞれについてアップグレードを試みましたが……。 IDE:HDDのためにボードを買う気にはなれず……。 BIOS:AMI BIOSのバージョンまではWindows2000の管理ツールで確認しましたが、マザーボードのメーカーがTriGemなる韓国のノンサポートを貫徹しているメーカーのためアップグレードには二の足を踏まざるをえず……。 OS:Windows2000ですが、SP3以降でレジストリキーを追加することによって対応が可能という情報を得ました。 ここまでで、ほとんど対応は断念かと思いました。何故ならばOSレベルでしか対応できないのではそれ以前に128Gの壁に阻まれるだろうと想像したためです。 参考にさせていただいたHPは以下の「資料室」です。勉強にもなりました。 にある http://bomber.xps.jp/cgi-bin/lib/page.cgi?page0=000032&page=1; このHPのリンクを参照すると、要約して以下の情報を得ることができます。 Windows2000はBIOSなどを介さずにHDDリソースにアクセスしている。 Windows2000はSP3以降でレジストリキーの設定をすると128B超のHDDに対応できる。 http://support.microsoft.com/default.aspx?scid=kb;[LN];JP305098 次のレジストリ キーを探して、クリックします。 HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\Atapi\Parameters [編集] メニューの [値の追加] をクリックし、次のレジストリ値を追加します。 値の名前 : EnableBigLba データ型 : REG_DWORD 値のデータ : 0x1 以上で対応は終了。簡単ですね。 ちなみに、上記リンクで様々な制限事項や注意事項がかかれています。実際に設定を行う場合には注意して自己責任の元に行いましょう。 私の環境では新しい160GのHDDはデータ用として追加する予定でしたので、システムが破壊される可能性は低いと考え、あえてトライすることにしました。Windows2000がBIOSを介さずにHDDへアクセスするという情報によって、BIOSの対応が必要ない可能性が考えられたということもあります。 ※ ただし、Windows2000を128G超のHDDにインストールする場合にはそのコンポーネントは128G以前に配置されている必要があります。これは、Windows2000であっても起動するまではBIOSに依存しているために起こる制限です。 レジストリキーの追加既にWindows2000はSP3となっておりましたので、早速レジストリキーの追加を行いました。バイナリー型で新たに1を値とするEnableBigLbaなるキーを追加します。 ここで一度システムを再起動します。 HDDデバイスが使用不能状態に再起動後、デバイスマネージャーではDM16が使用不能状態になっていました。HDDとして認識されていながら、×が付いている状態です。 ここで、ドライバー情報を確認するとすべて不明となっていました。 そこで、ドライバーのアップグレードを選択して更新を実施しました。 今度は、正常に終了せずそのまま更新状態でハングアップしました。CPU負荷はかかっていませんがデバイスマネージャーのGUIの制御が戻ってきません。 強制コールドブートを試みます。 とりあえず認識ドライバーの更新作業自体は正常に行われていたのか、今度はデバイスマネージャーで正しく全容量を認識することができました。 パーティションを割り当てて、普通に(クイックフォーマットではなく)フォーマットを行います。これには流石に時間がかかります。
← 今度は128GBではなく、152.66GBと認識された。 認識されたからと言って実は安心できません。 一見認識されていても、実は128GBを超えて書き込みを行った時点でトラブルが発生する可能性があるからです。実際、そうした問題が発生したという報告も多数あります。 そこで、実データを書き込み始める前に試験的にすべての領域を満たすべく既存のデータをコピーして容量オーバーのエラーが正しく表示されるまで見守ることにしました。実際には135GB程コピーが終了した時点で問題なしと判断して中断しましたが、結果は良好でした。 事前調査ではハードウェアの改良を余儀なくされるかと思われた128G超のHDD認識でしたが、蓋を開けてみればレジストリキー一つで解消できてしまったことになります。新規格も何のその、OSレベルで問題を回避できたことは大きな成功といえます。 参考資料特に今回参考になったのは以下の@ITの記事でした。 ここへは前述の「資料室」からも訪れることができます。 既に2002年から取りざたされていたとは……にも関わらず購入時に何のサジェスションもしてくれないショップや、何の情報掲示もないショップはちょっと不親切ですね。 http://www.atmarkit.co.jp/fpc/experiments/indexpage/index.html 137Gbytes超IDEディスクの正しい使い方 IDEハードディスクの容量は160Gbytesまで達しているものの、現状ではそのうちの137Gbytesまでしか利用できない場合がほとんど。160Gbytes全体を使い切る方法を探る。 ・IDEハードディスクの「容量の壁」とは?--2002/01/22 ・48bit LBAに未対応だと、どんな不具合が生じるのか?--2002/01/22 ・160GbytesハードディスクへWindows 2000をインストールする--2002/01/22 ・48bit LBA対応IDEインターフェイス・カードを利用する--2002/01/22
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